2014年03月12日

『わかったつもり〜読解力がつかない本当の原因〜』西林克彦



「いろいろあるのだな」と認識した時点で、実は人はそれ以上の追及を止めてしまうのです。これが「『いろいろ』というわかったつもり」の魔力です。(p140)

「わかったつもり」は、後から考えると不充分な状態であるものを意識できるのですが、その時点では「わかった」という気がしている、そんな状態です。(p142)


(読書後のまとめMindMap、8/24)

わかったつもり.jpg


(読書後のまとめMindMap、4/20)

西林克彦『わかったつもり』.jpg


読解法についての本。
理解と不理解の間にある「わかったつもり」というあいまいな状態の見えにくい罠について、わかりやすく解説してくれます。

国語の教科書に掲載されている、誰もが読みやすい文章を例に挙げて、人のおちいりやすい漠然とした理解の仕方を明らかにしていきます。
「わかったつもり」の状態は、「実はわかっていない」状態。
見切り発進のように、ミスリードを引き起こす可能性もあるのです。

私も、日常の生活の中で、かなり「わかったつもり」状態でいることが多いと、改めて気付かされました。
読めば(なるほど〜)と思うことばかりですが、このあいまいで、認識しづらいことをクリアに文章化することは、なかなか大変な作業だったと思います。
教育の専門家ならではのこなれた切り口でしょう。

例文を多用し、さまざまな視点を提示することで「わかったつもり」の状態について細かく説明してくれていますが、おそらく本書の目的はその曖昧な状態を解説するところまで。
「わかったつもり」状態をどう克服していくかという方法については、言及されていません。
読み方の浅さを埋める「注意深く読む」という個人の読書上の注意程度にとどまっています。

「わかったつもり」の状態を知った以上、そこからさらに「わかる」に至る解決策を知りたいと、解消法が気になる読者としては、具体的なトレーニング法が紹介されていなかった点が、少し物足りなく思いました。
続編が出たら、読んでみたいです。
posted by Lily at 16:15| 実用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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