2014年03月16日

『新幹線お掃除の天使たち 「世界一の現場力」はどう生まれたか?』遠藤功

エンジェル、それは生きがいを持った人たち。



「エンジェル」とは現場でコツコツと頑張っている「天使」のような人、を表現したネーミングです。(p152)



東京駅で目にしたことがある新幹線のお掃除クルーは、とても印象的。
清掃終了後にはビシッと一列に並び、待っていた乗客にお辞儀をしてくれます。

彼らはJR東日本グループ会社の鉄道整備株式会社、通称テッセイの従業員。
そろいの明るい制服と、さわやかな物腰がとてもいいイメージです。

清掃業は「危険、きつい、汚い」と3Kそろった裏方職業で、華やかさはありません。
ですがテッセイの合言葉は「さわやか・あんしん・あったか」。
3Kとは正反対の仕事へと変えていくために、内部の意識改革を行い、それから外部に明るいイメージをアピールしていったという流れが紹介されています。

従業員にとっていい職場環境にすることで、クルーの意識改革が促され、やる気が出ることで効率も上がるという理想的な転換。
それを可能にするためには多額の出費が必要で、現場を変えることににはどうしても上部の理解と判断ありきだとわかります。

駅員よりもホームの乗客に近い場所にいるクルーは、時には清掃以外のさまざまな手助けもしていることがわかりました。
予定外の応対ができるのは、仲間や上司に即時対応が許してもらえる仕事環境だからこそ。

清掃業を、地味な影の仕事ではなく、乗客へのサービス業だと捉えることで、負のイメージが無くなったことに、発送の転換の威力を感じます。
また会社側も、現場でのクルーの頑張りを表彰したり報奨金制度を設けるなど、拾い上げる努力をしています。
「見てもらえる」「評価してもらえる」という気持ちが、クルーの大きな励みになっているのです。

主任以上の肩書の人には、ノリがよくなる言葉を集めた「エンジェル・ノート」とノリが悪くなる言葉を集めた「デビル・ノート」が配られているとのこと。
上司も何気ない言葉遣いに気をつけて、職場の空気を悪くしないようにしているとのことです。
これは他の会社でも実行すべきですね。自分も2冊とも、欲しいものです。

ディズニーランドのクルーについて書かれた『最後のパレード』(廃刊)に多少似ている内容で、いいことばかり紹介されているようにも感じましたが、この前向きな試みはさまざまな団体、もしくはさまざまな場面で参考になることでしょう。
従業員のモチベーションを高めるというのは、企業にとって何より大切なこと。
昨年、本書と同タイトルのミュージカルも上演されたそうです。
posted by Lily at 01:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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