2014年03月26日

『時代劇の色気』島野功緒

モノクロの銀幕スターたちは、なぜに魅力的なのか。



時代劇の灯を消してはならない。それは一つの伝統文化の喪失を意味するからである。



有名な時代劇と、それを演じた歴代の俳優について述べられた本。
「水戸黄門」や「大奥」「忠臣蔵」に大河ドラマ「新撰組!」などが紹介されます。
「水戸黄門」役に抜擢されるのは、名誉なことながら、誰もが認める「偉大なるマンネリ」ドラマなだけに、どの役者も長く続けていくうちに飽きてしまい、降板を申し出るそうです。
確かに、自分の色を出したい俳優にとっては、ステレオタイプが完成された役を続けていくのはつらいことかもしれません。

今ではさっぱりピンとこない「刻」の説明がありました。
「巌流島の戦い」は1612年4/13の朝7:30に行われたとされるそうです。
あの決闘は、かなり早朝だったんですね。
歌に出てくる「お江戸日本橋七つ立ち」の七つとは、午前4時の意味だそうです。

昭和の軍部による思想弾圧で、ディック・ミネは三根耕一に芸名改名を余儀なくされたとのこと。
敵国風の洋風のものはすべて否定された時代ですが、芸名にまで思想弾圧が踏み込んでいたとは。

東映時代劇全盛期には「見せ場を3つ作る」ことが鉄則だったそうですが、今はそれがまったく無くなっており、脚本のレベルが下がってしまったと著者は憂いていました。

単館映画館が減りゆく今ではなかなか観る機会のない、戦前の時代劇の素晴らしさが語られています。
今の時代劇とはまったく次元が違うものとのこと、いつか観てみたいものです。
モノクロの古い映画は、いま見ると逆に新鮮で、俳優は男女とも、非現実的なほどに魅力的なスターたち。
観ているとたしかに、凛々しくも上品な色気に引きつけられます。
映画の全盛期ならではの輝きだったのでしょうか。
posted by Lily at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸術・文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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