2007年05月02日

『「超」文章法』野口悠紀雄

「超」文章法 (中公新書)

野口 悠紀雄
中央公論新社 2002


この本の対象:論述文(論文、解説文、報告文、企画書、評論、批評、エッセイ、紀行文)文学作品ではない

目的:読者を感動させることではなく、読者を説得し、自分の主張を広めること
そのためには…内容が有益、興味深いもの。容易に理解可能なもの。
「ためになり、おもしろく、わかりやすい」文章

○ メッセージが8割の重要性
 形式ではなく実体
 書きたくてたまらないか?
 広いと浅くなる。ピントを合わせる必要あり
 適切なメッセージは発展性がある
「小説の要素は3つ
 1:話をA地点からB地点、そして大団円のZ地点へ運ぶ叙述
 2:読者に実感を与える描写
 3:登場人物を血の通った存在にする会話」スティーブン・キング

 メッセージが強すぎれば、小説とは言えなくなる
 ストーリーが面白ければよいので、ためにならなくてもよい
 人を感動させる文章を書きたいとき→三島・谷崎の『文章読本』

○ 骨組み1 内容面のプロット
 冒険物語は共通のストーリー展開
 日常vs旅、善vs悪が基本

    冒険物語        論述文
 故郷を離れて旅に出る:日常からはなれて論述を「面白く、ためになる」ものにする
 仲間が加わる:主張を補強
 敵が現れる:主張したい概念の性格を明確化する
 敵との間で戦争が行われる:主張と反対論のどちらが正しいかを示す
 故郷へ帰還する:一般理論を現実に応用するため「ためになる」

○ 骨組み2 形式面の構成
 文章には短文(1500字:新聞の論説や雑誌の1ページ)と長文(1万5000字、本格的な論文)のみ パラグラフは150字
 本は15万字
 中間の長さは書きにくい
 話す場合も長さを意識する
 終わりは重要。終わりから読む人もいる。終わりが印象に残る

 全体は三部構成:「序論・本論・結論」
 「起承転結」は転で読者が当惑しやすい

 ドラマチックに初め、印象深く終える
 飛行機の操縦で難しいのは、離陸と着陸

○ 筋肉増強:説得力を強める、わかりやすい解説書はこれを駆使
 論理関係がすぐにわかり、印象にも残る
 1-比喩(レトリック):蓄積してきた知識量に負う
 文学における比喩:抽象的概念や想念の視覚化、状況説明、登 場人物の性格や考え方の説明
 ドストエフスキーがスペシャリスト
 2-具体例を示す
 数字を示すと説得力が増す。大きな数字は日常的感覚で把握で きる数字に直す
 3-引用

○ 化粧1:わかりにくい文章と闘う
 谷崎「接続詞の利用は控えるべき」>文学では
 三島「格調を失わせる」〃

○ 化粧2:100回でも推敲する
 形式、表現をチェック

○ とにかく始める
 世界は複雑であり、人間の持ち時間は少ない
 「選択と集中」こそ重要

<印象>
著者はトールキン『指輪物語』のファン。
わかりやすい文章。論文を書く前の参考書として有用。
posted by Lily at 17:15| 実用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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