2010年05月28日

『いい仕事ができる人の考え方』村山 昇

いい仕事ができる人の考え方

村山 昇
ディスカヴァー・トゥエンティワン


−人間は、意欲し創造することによってのみ幸福である。(アラン『幸福論』)

いい仕事.jpg


去年の3月刊とわりと新しく、今の経済危機に揺らぐ社会人の不安定な状況を踏まえながら書かれた本です。

全章Q&A方式を取っているため、ノウハウ的にわかりやすいものになっています。
また、著名人の名言や警句、たとえ話が随所にちりばめられており、納得感が強められます。

字の大きさを変えたり太字にしたり、まとめは点線で囲ったりと、軽くパラパラめくるだけでも頭に入りやすいようになっています。

巻末の参考文献も結構な数の資料が掲載されており、いろいろな本を参考にしたことがわかります。
やはり大切なのは、気持ちの持ちようだということでした。
著者のことは全く知りませんでしたが、面白く読めた一冊でした。

<引用>
幸福だから笑うわけではない。笑うから幸福なのだ。 (アラン『幸福論』)
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2010年05月26日

『仕事頭がよくなるアウトプット勉強法』増永寛之



−毎朝、新聞にかいてあるのは「歴史」。

アウトプット勉強法.jpg


社長の勉強法をまとめた本。若くして起業家になっただけに、勢いが良く、力強い文章です。
自分が実施し推薦するやり方を紹介しているので、内容は的確で、すぐに読めます。
タイトルにもあるように、読書や情報収集を、インプットだけで終わらせずにアウトプットするべきだと、外への成果報告の重要性を説いている本です。

わかりやすくサックリと読めるものの、アウトプットし慣れていない人にとっては、具体的な導きがないため、もうアウトプット法にページを割いてもよかったようにも思いました。

<引用>
締め切りタスクは「かたまり時間」に、語学や情報収集など習慣化したいタスクは「細切れ時間」に。

人間関係・人間心理に悩んだら読む本:デール・カーネギー「人を動かす」
会社の利益を考える本:ブライアン・トレーシー「すぐに利益を急上昇させる21の方法」
会社が目指す方向性を考える本:ジェームズ・C. コリンズ「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則」
(その他お勧め本:ドラッカー「プロフェッショナルの条件」)

偉人だから記録が残るのではない、「偉大な記録を残した人」が偉人となる。

日記で成長する3つのポイント
1. 自分の価値を信じて書く
2. 書くことで「P(plan)D(do)C(check)A(act)サイクル」をつくる
3. 「人に読ませる文章」を意識する

メンターは教えを請う人ではなく魂をぶつける人。

仕事頭のいい人は「成功の再現性」がある人。
ビジネスで求められるのは天才ではなく、継続して成果を出せる人。

三日坊主は悪者にされがちですが,「三日分は勉強できた」と考えれば何もやらないよりもマシ。まずやってみて、合わなかったら捨てる―「トライ&エラー」を根気よく続ける。
posted by Lily at 12:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月20日

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』岩崎夏海



−面白い―とみなみは思った。誰にも相手にされないからこそ、逆にやりがいもあるというものだ。 引用ここまで (p11)

高校マネージャーがドラッカー.jpg


書店や書評欄など、あちこちで話題になっている今ホットな本です。
オリジナルのドラッカーを読んだことがないので、難しいのかな、と思いましたが、全くそんなことはなく、サックリ読み終えられました。

ライトノベル感覚で、野球部のマネージャーみなみがドラッカーの『マネジメント』を参考にしながら、部のいろいろな問題を解決して、甲子園へと向かっていく様子が描かれています。

私も中学時代には「部活のマネージャーは部費(マネー)を管理する人」と思っており、社会に出たらジェネラル・マネージャーなんていう偉いさんがいて驚いた記憶があるので、著者があとがきで述べているきっかけに、同感できました。

ドラッカーのオリジナル文章が、高校生のヒロインが納得できるような形になっているため、理解しやすく、特に理論に対する問題点もないままに、読み終えられました。

ただ、この本に取り上げられたドラッカー理論は、彼の著書『マネジメント』の内容をどれだけ反映しているのか、わかりませんでした。
全て紹介したのか、氷山の一角のみなのか。
なので、この本を読んで『マネジメント』を理解したといえるものなのか、はっきりしません。

実験的な試みの本というのはわかりますが、著者も肩に力が入っているようで、ライトノベルに落としこみきれていない印象も受けました。
みなみは、はじめ『マネジメント』の内容のわけがわからず、漠然とテキストに使おうと思っていたはずなのに、すぐに便利ツールとして応用と実践に使いこなしています。
彼女が的確に、本の一か所を拾いだすのは、少し強引に思えました。
『ソフィーの世界』を読んだ時にも感じた、作者の力仕事的なものがありました。

ライトノベルへのドラッカー理論の導入に強引さが生じるのは、まあ仕方がないとしても、この話がライトノベルかと言われると、首をひねってしまいます。
ストーリー構成はしっかりしていますが、ドラッカー理論第一主義になっているため、話が時折たどたどしくなり、詰めが甘い、予定調和的な箇所が多々見られます。

例えば試合中、エースがピンチになった時に、さりげなく合唱部がアカペラで彼の好きな曲を歌い出すシーン。
静かな感動を呼ぶ箇所ですが、好きな曲、という記述だけでは、読者に不親切です。
曲名は必要ないにしても、元気なノリのいいものなのか、静かな落ち着くものなのか、ちょっとした追加表現があるだけでも、入りこみやすさが違うのです。
こういった、足りない表現が、そこかしこにありました。
なので、ラノベとしてはいい出来とは言えないように思います。

また、著者が「マネージャー」(部活の)と「マネジャー」(管理者)を書き分けているところが気になりました。
それについての説明はなかったように思います。なぜ分けているのでしょうか。
その辺りも、読者にもう少し親切であってほしいものです。

そうはいっても、まっすぐな学生たちが成長していく青春ものなので、感動もあります。
私は3回泣きました。球児2人の泣く場面と、最後の夕紀のシーンです。
電車の中で読んでいたため、ちょっと慌てました。
先日読んだリリー・フランキー『東京タワー』は、誰もが泣ける本と認識しているので、泣いても変にとられないでしょうが、まさかこの本で涙を流すとは思わなかったので、我ながら驚いて、周りにあやしまれないかと、あせりました。

苦手意識がなくなったので、次は元ネタのドラッカー理論を学んでみようと思います。
posted by Lily at 14:14| ビジネス・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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