2007年04月20日

『自分だけの部屋』ヴァージニア・ウルフ

自分だけの部屋 (新装版) A Room of One's Own

ヴァージニア・ウルフ
みすず書房


<note>
芸術家自身が己の精神状態について語ること:
 18世紀以降、ルソー『告白録』より
 19世紀:自意識の発展

シェイクスピアとジェイン・オースティンの共通点:
 精神があらゆる障害物を燃焼しきっている
 自分の書いた言葉一つ一つに彼らは滲み付いている

作家:両性具備者たるべき(Cf.Proust)→精神の広がり、相対物の統合→創造

“風はおのが好むところに吹く”ヨハネ伝 3-8
posted by Lily at 17:33| 文学研究・評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月19日

『白鳥のシンボリズム―神話・芸術・エロスからのメッセージ』上村くにこ



<note>
シーニュ:cygne(白鳥)=signe(サイン、合図)

象徴(シンボル):イメージが一つの意味体型を形作ったもの

白鳥の歌伝説「瀕死の白鳥は死ぬ間際に、一生のうちで最も美しい歌を歌って死ぬ」
孤独、高潔、完璧、メランコリー、芸術家の苦悩主義
文学者を表現:“マントヴァの白鳥”→ウェルギリウス
         “エイボンの白鳥”→シェイクスピア
白鳥:至高の詩人

レダと白鳥(ゼウス)→世界一の美女ヘレネ:絶対的な美貌を持つゼウスの娘、崇拝と同時に根強い恐怖心を引き起こす
レダの白鳥:性愛を断罪するキリスト教の観点から免れる特権的存在

白鳥 @芸術:性愛の昇華 文芸が主
    Aエロス:尽きぬエネルギーを芸術に供給。絵画(文字の検閲を免れる)

世紀末の白鳥:「哀しみ」「死に至る美」ペシミスティックな神秘主義思想

<印象>
歴史を追って多様に広がる白鳥の印象と象徴としての意義を説く。
興味深い、暗喩への追求。
posted by Lily at 17:49| 文学研究・評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ディアロゴス演戯』由良君美

著:由良君美 出版:青土社 

<note>
Femme Fatale(ファム・ファタール):男性のアニマ像を根強く規定
誘惑者・魔女・吸血鬼・夢魔の鬼・地母・太母・残酷な美女

ありとあらゆる形での男性の女性への隷属を要求
時には、男性の肉体の代わりに精神を壊滅させ、心の死へ至らしめる

トーマス・マンとハインリッヒ・マン…<宿命の女>二部作
・ハインリッヒ・マン「ウンラート教授」
 1905年→映画化「嘆きの天使(Blue Angel)」マレーネ・ディードリッヒ
 :C.G.ユング 念頭に置く

・トーマス・マン「小フリーデマン氏」1896年
 “水”の象徴:無意識の母体回帰の願望を誘い、結末の水死に至らせる
 エリアス・カネッティ「眩暈」1935年

マリオ・プラーツの研究:
◆[伝説] リリス(アダムの前妻)、スフィンクス、ハーピー(鳥の翼、女の顔)、セイレーン(“ホメーロス”)

◆[ロマン主義] サランボー(フローベール)、シバの女王、カルメン(メリメ)、クレオパトラ(ゴーティエ)、ナターシャ(ドストエフスキー)、メアリ・スチュアートとアトランタ(スウィンバーン)、ヘレン(ロセッティ)

◆[アメリカ文学] エレアノア・ロッククリフ(ホーソーン)、ビアトリス・ラパツィーニ・カサマッシマ夫人(ヘンリー・ジェイムズ)、マダム・ド・モーヴ

◆[20世紀] ジューディ・ジョーンズ(フィッツジェラルド「冬の夢」)、エミリー(フォークナー)、マーゴー(ヘミングウェイ「フランシス・マコーバーの短い幸福な生涯」)、ヘレン(「キリマンジャロの雪」)

プラトン以来の愛の相互補完性を不断に突き崩す負の要素
単純なル・クープル(カップル)の日常性を脅かす
posted by Lily at 17:45| 文学研究・評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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